「義母に地味な仕返しをしてみた」
福島県
ひろ
私たち家族と義母が同居し始めたときの話です。
義母にとっては、自分の息子である私の夫、そして孫である私の子どもたちと一緒に暮らせることは、とてもうれしかった事でしょう。
そのため、同居を始めたときには、張り切って料理をしていたのです。
しかし、日数が経つにつれ、食事に関して明らかに私への嫌がらせが始まったのです。例えば、料理を作ったけれど量が少なくて、義母自身と息子、孫のメイン料理は用意されているのに、私のだけは「ごめんねえ、足りなくなっちゃって」となかったり。
また、朝の味噌汁なども、私のものだけは具がなくて汁だけだったりすることもありました。その理由は、「今まで一人で生活をしていたから、自分の分だけを調理して食べていたけれど、家族が増えたらどのくらい料理を作っていいのかわからなくて、足りなくなってしまった」ということでした。
納得できるといえば納得できるのですが……。
それにしても腹が立つのは、自分の分を減らすのではなく、私の分に影響が出ること。またそれを息子である夫は何も言わず、見て見ぬふりをしていることでした。
こんな食べ物のことで愚痴る私も小さい女ですよね。
でも、嫌がらせの仕方が陰湿で嫌いです。
そんなことが続いていたのですが、ある時、週末に私が料理をしたときのことです。
いつもは義母から食事で意地悪をされているので、今日はたらふく食べるぞ、たくさん作るぞと決めて料理をし始めました。
そして作ったメイン料理はパスタ。子どもたちもみんな大好きなカルボナーラ。こってりして美味しいですよね。夫も私も大好きです。
夕食の時間になって、みんなが集まってきました。そこで私がした義母への意地悪。それは、これでもかというくらい、お皿にカルボナーラを入れてあげたこと。
義母が自分のお皿を見て「これちょっと多くない?」と第一声。しかし、子どもたちは普段よく食べる義母を見ているので「ばあばなら、それくらい食べれるよ!」とあっさり。私も「大丈夫ですよ。美味しいからきっと全部食べることが出来ますよ」と励ましました。
夕食が始まってから、子どもたちは美味しい美味しいと、どんどん食べてくれました。私もふだんは自分の思い通りに食べることが出来ないので、美味しく食べさせてもらいました。自分が作ったものですが。
それから、子どもたちはご飯を食べ終わり、リビングへ移動。
私も自分が食べ終わったら、子どもたちの洗い物をさっさとしてリビングへ。
そしてなかなか食べ終わらずに義母は台所に残されてポツン。
それでも時々用事があるふりをして、台所に様子を見に行きました。
そして、「いつもはもっとどんどん食べるのに、今日はゆっくり食べるんですね。お口に合わなかったかしら?」と義母に言ってやりました。
義母は「今日は量が多かったから……。でもとても美味しいわ」と一言。
時間はかかったけれど、何とかあの量を食べきったのです。
さすが食い意地のはっている義母。やるなあと思いました。
そのあとの義母の様子は、もうお腹がいっぱいで動けないといった感じで、リビングのソファーでぐったり。
そして「あ~、胃が気持ち悪いわぁ」と言いながらテレビを見ていました。
私たちはそんな義母を横目にさっさとお風呂に入り、寝る準備を。
やはりぽつんと義母をリビングに残して退散しました。
私が料理を作るときだったから、いつのも仕返しに、これでもかという料理を振る舞いました。子どもたちにはご飯を残さないようにといつも言い続けているので、義母も残さず頑張って食べてくれました。
こってりとしたカルボナーラだったから、翌日も胃もたれしていたみたいです。美味しい仕返しができました。
おわり。