【スカッとする話】義母SNS 仲良しと思っていた義母は裏で私のことを……【擬両親】

「義母SNS」

京香(きょうか)は義実家と仲良くやっていると自負していた。
特に義母とは友人のような関係を築いており、休日にはよく出かけたりもしている。母の日、誕生日にはプレゼントを欠かさず贈っており、義母も喜んでくれていた。
まだ少女のような感性を持ち、些細なことでも大袈裟に喜んでくれる義母を京香は可愛いと思っていたし、プレゼントを考えるのは大変であったが、苦にはなっていなかった。
義母とはこのまま良好な関係を保っていけると思っていた。
しかし、京香は義母の本性を知らなかったのである。

「ねぇ京香、これ見てよ」
「なあに、これ?」
ある日、友達とランチをしていた京香は、何気なく向けられたスマホの画面を見た。
それは、とある女性のSNSであった。
『今日はお嫁ちゃんとホテルブッフェに行きました』
その女性は、SNSに自身の嫁としたことや貰った物の写真を載せており、嫁との仲良し具合が一目見てわかった。
「これがどうかしたの?」
「このSNS、コメント欄がすごいのよ。姑同士でいかに自分の嫁の方がいいか、マウントを取り合ってるの」
「へー、そんなことあるんだね」

京香はやけにその女性のSNSが気になり、友人と別れた後も見てしまった。
友人が言っていたコメント欄を確認すると、京香の想像を上回る書き込みがたくさんされていた。
『うちの嫁は孫を連れて毎週末遊びに来ます。孫はいないんでしたっけ?』
『外食ばかりですが、いい嫁ちゃんですね。血圧とかは大丈夫ですか?』
言葉の節々に女性特有の嫌らしさが見え隠れしている。
これは読んでいて癖になるなと思い、色んな嫁自慢SNSを見ていると、京香はあるアカウントのページで手が止まった。

「え…これ、私じゃん」
目にスタンプが貼られているが、明らかに京香と義母の写真がアップされていたのだ。
慌ててそのアカウントを確認すると、投稿内容も全て心当たりがある。
なんと、義母の嫁自慢アカウントであった。
しかも、他のアカウントに対して嫌味なコメントを書き連ねたり、京香がプレゼントした物は値段まで調べて書き込んでおり、京香はめまいがした。
『本当に、うちの嫁は扱い易いの。大袈裟に喜んでおけば、高い物も買ってくれるし』
そう書かれたページを見て、京香は酷く傷ついた。

これまで、義母の人間性を見誤っていたようだ。
京香はプレゼントの趣旨を変えることにした。渡すものは全て京香の手作りの物にしたのだ。
「京香さん、これは…?」
「手作りの石鹸です!こっちは、無添加のクッキーです。米粉で作ったんですよ!」
「あ、ありがとう…」
「あれ?嬉しくなかったですか?」
「いえ、嬉しいわ、あはは…」
義母はあからさまに顔が引き攣っていた。

京香は義母のSNSを随時チェックしていたが、更新が止まっていた。
しばらく手作りプレゼント攻撃を続けていたが、ある日義母がついにイライラした様子を見せ始めた。
「京香さん、あのフレンチのお店とか行きましょうよ」
「いや、手作りがやっぱり一番心がこもっているので」
「ほら、でも、その…話のタネとかにならないし。もっとこう、高級なお店とか、いい物食べたりしましょうよ!」
「…話のタネって、SNSのことですか?」
SNSのことを話題に出すと、義母の顔色がサッと変わった。

「私、扱い易いですもんね。大袈裟に喜べば、高い物も買うし」
「か、勝手に私のSNSを見たのね!?」
「勝手も何も、SNSは誰でも見られるものですから」
「違うのよ、その、記録として使っていただけで…」
義母はずっと言い訳をしていたが、京香は聞く耳を持たなかった。
その後、義母のSNSのアカウントは消えていた。
手作りどころか、京香はプレゼントすらするのを止めた。
義母がもう少し反省するまで距離を置き、自分の心の平穏を保とうと決めた京香であった。

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