【スカッとする話】子供と壺 DQNな子供にはDQNな親がいる【近所迷惑】

佳子(けいこ)は庭の手入れが趣味である。季節の花を植えたり、プランターで野菜を育ててみたり、長年楽しんできた。
しかしここ最近、佳子の自慢の庭を荒らす者が現れてしまった。
それは、近所のアパートについ最近引っ越してきた家族の子ども達である。5歳と4歳の男の子の兄弟が、勝手に佳子の家の庭に侵入して遊びだしたのだ。
子どものすることだから…と最初は見守っていた佳子だが、子ども達の無礼さに段々と腹が立ってきた。
「またやられた…」
落ちているお菓子のゴミ、折られたバラを見て、佳子は肩を落とした。

少しのことなら目を瞑るが、最近はあまりにも目に余る。
¥初めは庭の花や来た虫を2人で見ているだけだったのだが、段々とエスカレートしていった。食べたお菓子のゴミを置きっぱなしにされるのはもちろんのこと、ボールで植物を傷つけられたり、休日に朝から大声で騒いでいたり、食べ物や飲み物の要求をしてきたりしたのだ。
「2人とも、公園で遊んだら?」
「公園は遠いからやだ。ばばあ、うるせーな」
「はやくジュース出して!」
2人の子どもは佳子にとって憎たらしい存在であった。

これ以上、自分の庭で好き勝手されるのは我慢ならず、佳子は2人が住むアパートへ話をしに行った。
初めて会った母親は、佳子のことを睨んでこう言った。
「子どもがすることなんだから…もっと広い心を持って下さいよ」
佳子は驚きのあまり言葉を失ったが、すぐに言い返した。
「そうはいってもゴミを置いていかれたり、バラを折られたり困っているんです。門を閉めているのに勝手に開けて入って来ますし…」
「そうやって色々言うばばあが増えたから、少子化になるんすよ。庭、広いんだからいいじゃねーか。うるせーなぁ」
佳子は玄関から追い出された。

こうなったら仕方ない…と、佳子は家の門に鍵をかけることにした。
しかし翌日、またもや子ども2人は佳子の庭に侵入していた。
どうやら、塀を登ってきたようだ。
佳子は頭を抱えた。そして、地元の交番に相談に行くことにした。
警察は親身になって話を聞いてくれたが、佳子が望む回答は得られなかった。
「警察としては、巡回中にもし侵入していたら注意することはできますが、それ以上は…」
「庭の植物を傷つけられたりしてるのですが、器物破損にはならないんですか?」
「証拠がないと難しいと思いますよ」
「証拠ですね…わかりました」

佳子は無礼な親子に対し、反撃に出ることに決めた。
まず、佳子は物置からいくつか壺を取り出し、庭に並べた。
この壺は義実家が渡してきた物である。値が張るそうだが、佳子の庭に似合わず、ずっとしまっていたのだ。
そしてネットで置き型の監視カメラを購入し、庭がよく見える位置に設置した。
数日後、またもや子ども達が勝手に佳子の庭に入って遊んでいた。佳子はその光景をリビングから黙って見ていた。
15分後、ガチャン!と大きな音が庭から聞こえた。
佳子が見に行くと、庭に置いた壺が割れており、子ども達は姿を消していた。

監視カメラの映像を確認すると、子ども達が壺に石を投げて割った瞬間がしっかりと録画されている。
佳子はその映像をスマホに移して、弁護士事務所へと向かった。
その後、弁護士を通して母親に対して損害賠償請求を行った。
母親は佳子の家にやってきて、謝るどころか暴言を吐いた。
「クソババア! ぼったくりやがって! 子どもがすることにケチつけんじゃねーよ!」

おまけに鉢植えをいくつか蹴り倒して行った。もちろんそれも録画済みなので、警察に映像を提出し、注意してもらうことも出来た。
それ以来、子ども達だけでなく母親も佳子の家の近くは通らなくなった。
佳子は悩みの種がなくなり、清々しい気持ちである。ついでに要らなかった壺の処分もできてよかったな、と思う佳子であった。

おわり。

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